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プリンタ方式を複数の観点で分類した表はじめにこのページは…プリンタの種類を適切に呼び分けていない例を会話や雑誌で見受けるので、正しい分類ができるように作成してみました。
【注意事項】
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分類 | インパクト型 | ノン・インパクト(非インパクト)型 |
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ドット・マトリクス型 | ワイヤ・インパクト・ドット・マトリクス型 | 乾式電子写真式 (レーザー/LED/LCS型) インクジェット型(液体インク/固形ワックス) 感熱型(サーマル型/サーマル・ドット型) 熱転写型/(派生の) マイクロドライ型 昇華型 (分類上は熱転写の一種) 放電破壊型 |
活字型 | デイジー・ホイール型 Selectricゴルフボール型 (共に電動タイプライタの流用) |
(なし)※少なくとも私は知りません |
※レーザープリンタ(LCD/LCS型を除く)の場合は、理屈上はドット・マトリクスでなくベクター的な印字も可能ですが、ビットマップ文字であれ、TrueTypeなどのベクター文字であれ、感光ドラムに光を当てる時点までにドットに展開された形になっているならばドットのマトリクスに他ならないので、上表ではドット・マトリクスに含めました。もし上表の左の項目を細分するなら、ドット・マトリクス型/ベクター型/活字型の3種類になるでしょう。
※放電破壊型は、銀紙のような用紙の表面のアルミ層を焦がして黒い文字として印刷するタイプです。放電が“衝撃”でないかどうかといえば難しいところですが、ワイヤ・インパクト型のような激しい音はしませんので、敢えてノン・インパクトとして分類しました。
その他の図入り原理説明をご覧になりたい方には、プリンタに関するリンクのTHE PC TECHNOLOGY GUIDEサイトや、JEITAが公開している「プリンターカタログ用語集」をお勧めします。
分類 | プリンタの種類 | 備考 |
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シリアル | ワイヤ・インパクト・ドット・マトリクス型 インクジェット型 感熱型(サーマル型/サーマル・ドット型) 熱転写型/マイクロドライ型 昇華型 放電破壊型 |
データを文字毎に受け取り、ヘッドを移動させながら文字単位で印刷する。 高速化のために複数行に渡るヘッドを採用した製品もある。 |
ライン | ワイヤ・インパクト・ドット・マトリクス型 乾式電子写真式 (レーザー/LED/LCS型) 感熱型(サーマル型/サーマル・ドット型) 一部のインクジェット型 (Ex. hp Edgeline / RISO ORPHIS; ComColor; FORCEJET)) |
データを1行毎に受け取り、1行分に並べられた(固定された)印字ヘッドを用いて行単位で印刷する。 通常は1行の印刷に必要なバッファしか持たない。 |
ページ | 乾式電子写真式 (レーザー/LED/LCS型) 謄写版型 (ページタイプの)熱転写型 (ページタイプの)昇華型 (PostScript搭載インクジェット型) 固形ワックスインクジェット型 |
データを1ページ毎に受け取り、1ページのレイアウト処理を完了してから印刷が開始される。 感光ドラムやリニアサーマルヘッド等を用いて1ページを一気に印刷する。 一般的にはライン型ヘッドを利用しているので、ライン型とページ型との区別にはあまり意味がないかもしれない。 1ページ分のデータを保持するバッファを全てプリンタが保持する場合と、PC側に負担させる場合とがあり、後者の場合は印刷データが逐次転送されるため、シリアルプリンタ的でもある。 |
特徴・構造 | オンデマンド | コンティニュアス | ||
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光 & トナー | 乾式電子写真式 (トナー溶融転写) | ヒーター必要時加熱型 ・レーザー&ポリゴンミラー型 ・LED(発光ダイオード)型 ・LCS(液晶シャッター)型 |
ヒーター常時加熱型 ・レーザー&ポリゴンミラー型 ・LED(発光ダイオード)型 ・LCS(液晶シャッター)型 |
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インクジェット (噴出インク) |
熱式 (サーマル式) |
液体インク | ・バブルジェット (Canon) ・サーマルインクジェット (HP/Lexmark等) ※呼称・構造は異なるが基本原理は同じ [*1] |
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固形ワックスインク | ソリッドインク型 (Tektronix) | |||
機械式 主にピエゾ式 (圧電式) | 液体インク | マッハジェット (Epson) イメージ・ジェット(Sharp; ピエゾ&ステンメ型) 過去(IBM/キヤノン/小西六写真工業) 過去(三洋電機; ピエゾ&メタルダイヤフラム型) |
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ゲル状インク | GELJET (RICOH) | |||
ピエゾ& 荷電制御型 |
液体インク | 過去(マイクロドット方式;日立) | ||
荷電制御型 | 液体インク | Sharp[*2] 過去(アプリコン/IBM/松下電子部品/リコー) |
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インクリボン インクシート |
インパクト式 | ワイヤ・インパクト・ドット・マトリクス型 |
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熱式 | 熱転写型/マイクロドライ型 昇華型 |
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感熱紙 (サーマル型/サーマル・ドット型) |
感熱型 (モノクロ/カラーともあり) ・光定着型感熱方式[TA;サーモ・オートクローム] (2002年4月にPrintpix; プリンピックス方式に改名?) (富士フイルム) ・ZINK™ Zero Ink™ (高分子保護膜に覆われたCYM染料の結晶が熱で発色) |
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放電 | 放電破壊型 | |||
スクリーン (型紙;ステンシル) |
スクリーン印刷(孔版印刷/謄写版)型 ・RISOGRAPH (理想科学工業) ・DUPRINTER (Duplo) |
[*1] キヤノンのバブルジェットは管の途中にヒーターがあり、HPやLexmarkなどの方式はインク噴出室の穴の直下にヒーターがある。しかし、キヤノンの製品は世代を重ねるごとにHPやLexmarkの構造に近づいている(ref: New Micro Fine Droplet Technology™)。管にヒーターがある構造は踏襲しつつも、インクの噴射の制御性を求めるほどヒーターを噴射口に接近させざるを得ないのは必然性があり、その意図は十分理解できるので、現在の方向性を否定するつもりはない。しかし、ヒーターが噴射口に近づけば近づくほど、ヒーターに至るまでの管は無意味な存在となる訳であり、管にヒーターがあることを特徴とするキヤノンの特許&登録商標である“バブルジェット”の名をつけるため、即ち管の存在が違うと言い訳するために、仕方なく残しているとしか思えない気がする。
意味的な構造は、HPの方式(バブルジェットを包含する意味の“オンデマンド型サーマルインクジェット方式”)に漸近しており、個人的な意見としては、商標としての“バブルジェット”という名称は既に過去の存在と思える。キヤノンの方式もHPの方式も泡(バブル)の生成によるインク噴出であり、ヒーター位置などの構造を含まない“バブルによる噴射”という意味は同じであり、液体インクのインクジェットにおいては、「サーマルインクジェット ⊃ バブルジェット」の関係性が、「バブルジェット=サーマルインクジェット」になりつつある。
※光を使う方式には複写機の場合と同様に、乾式だけでなく、湿式やジアゾ感光式も考えられますが、コンピュータ用のプリンタとして存在するかどうか私は知りません。
※実際に製品化されたかどうかは不明ですが、学会誌などを参照する限り、インクジェット系を開発していたメーカー・団体は多岐に渡ります。(Mead, 日立, 電電公社, 沖電気, IBM, Applicon, ミノルタ, Teletype, カシオ, 東芝, 小西六(KONICA), 富士通, Gould, Simens, NEC, 松下, 東レ, Tektronix, 三洋, Benson, シャープ, Olivetti, リコー)
なお、LexmarkはIBMのプリンタ事業部がプリンタ専業メーカーとして独立した会社。
[*2] 昔、雑誌(Oh!MZかOh!Xだったと記憶しているが明確でない)では連続型であるかのように記されていた気がするのだが、日刊工業新聞社「電子技術」第25巻 第12号のシャープ(株)社のモデルIO-0700に関する記事によれば「当社の方式はステメ方式を改良して〜略〜独自のインクジェットヘッドである.」「以上の商品化されたものは,ドロップオンデマンド方式がほとんどであり,R社のみが,連続型を発表している.」と記されているので「イメージジェット」が連続型ではなかった可能性が高く、分類し直した。 (2010-09-22)
再修正:シャープはオンデマンド型も製造していたが、研究段階または製品で連続噴射型(荷電量制御型)も製作していた。